2010/03/11

2010.03.11 2010年代の建築


建築系ラジオにて「テン年代の建築、私はこう考える」アンケートというのを募集しています。上のグラフィックは関係ありません。それに引っ掛けて、考えてることをちょこっと吐き出します。

「大ざっぱな建築」

ぼくは建築の設計をしています。ぼくが日常体感している世界、その視界のほとんどを建築物が支配してるわけですが、その多くは、建築家とはほぼ無縁の産物です。目指すべき建築とされている建築と日常の間には溝があります。それは、こう言い換えることもできるかもしれません。建築家の目指している世界と一般的な感覚の間には、大きなギャップが存在あります。都市から撤退した建築家は、自らとクライアントの内に美しい世界をつくることに終始し、そのようなフォロワーをたくさん生み出し、そうした活動を行う人々のことが建築家と認識されるようになりました。その活動は極めるという体質をもっているような気がします。問題は極めることにあるのではなく、排除の性質をもってしまうことにあります。洗練されてないデザインに対して、ぼくは美しい世界の先導者ですというスタンスは必要とされていないのです。信じたデザインに対して過剰な期待を持つことは危うい面もあります。
上記のことは自戒を込めて書いています。
ぼくは張りつめた建築道も好きですが、日常ももっと面白くしたいのです。大ざっぱな建築というのがいまのところ一番しっくりきます。針の穴を通すような精密なデザインではなくて、もっと適当な。リラックスしたというか。そういう建築を日常の延長上につくる。だから、暮らし方自体も考える必要がある。夕方に仕事を終えて、友達とごはんを食べて帰るとか、いいですよ。そういう暮らし方するとつくる建築ももっと柔らかになると思うんですよ。つくるものも生き方もつるっとスムーズにつなげましょう。自分で決めたことで首を絞めてはいけませんよ。もっとつくること感じること生活すること楽しみましょ。
突然ですが、twitterが楽しいのは、皮膚感覚を共有できるからです。スキンの通信。感覚が意外とダイレクトに伝わってくるんですよ。
なんだかタイトルと全然違う話になってしまった。
大ざっぱネス。性に合ってます。

以下はぼんやりとした考えに輪郭を与えてくれた文章です。

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"Avakareta Life" UNDERCOVER 2010-2011 AUTUMN WINTERニューコレクションが style.comで発表されたので、僕自ら今回の趣旨を説明しようと思う。
テーマは "Avakareta Life" (アバカレタ.ライフ)。
何でもない日常の一コマを切り取ったシーズン。
そしてショー的な現実味の無いキメすぎなコーディネイトを捨て、とことん日常にこだわり それを誇張させたルックブックをカメラマン守本と創ってみました。
自分や家族、友人、周りを囲む人々が普段の生活で身にまとっている服。
近所のスーパーにいったり、お茶を飲みに行ったり、家でテレビを見ていたり、 街角でタクシーを止めていたり...そんな日常をデザインしたシーズンです。
よく考えると今までそこまで"フツー"にこだわったシーズンは一度もなかった。
どちらかというと今までのUNDERCOVERは、ショー映えを重視したキメキメの トーテルコーディネイトがほとんどだった。
しかしふと自分や家族を含め普段の生活で着ているデザインやコーディネイトを 見たときに、あまりのギャップの大きさに自分が創り上げたクリエションに 対し疑問を抱いてしまった。
じゃあ一体、僕は普段どんな格好をして何をしているのか?。
そう考えると決して着飾ってはいないし、逆にかなり肩の力の抜けた コーディネイトやデザインを見にまとっているのが僕の日常。
まさに"ソコ"がテーマです。
レディースでは一見何でもないカジュアルなデザインを、パターン数を極端に 少なく作ったり、前回の"LESS BUT BETTER"の精神を引き続き引用していたりする。 その辺りのポイントは写真では判断しにくいので実際に服を手に取っていただきたい。
何気ないがとても興味深いパターンになっています。
そこまで日常にこだわった作品をどう写真に収めようと考えたとき、フツーの モデルさんがそれを着ても現実味が薄れてしまう。
だったら誰がモデルをやったらよりリアルなのか?。
考えた結果、メンズのモデルは自分、レディースのモデルは僕の奥さんのRICOが一番 説得力があるのではということで、前代未聞の自作自演をきめたわけです。
ファッション業界ではViktor and Rolfやジョンガリアーノのような出たがりのデザイナーも いるが僕は全くそうではありません。
どちらかというとかなりシャイです。
でも今回は自分が出るべきだと思い、決心しました。
正直カメラマン守本もやりずらかったでしょう。
なにせ僕とRICOですから。
自らモデルをやるという意思をスタッフに告げるときもかなりの勇気がいりました。
「頭おかしくなっちゃったんじゃないか!?」...そう思われたかもしれない。
まぁとにかくメオトで自作自演し、体を張ってみました。
style.comでは今のところレディースバージョンしか発表されていないので、 後ほどメンズバージョンをココでお見せしようと思う。
それみてどうぞ笑ってください。
そんな肩の力の抜けたシーズンです。

via.JUN TAKAHASHI BLOG. honeyee.com

2 件のコメント:

  1. >夕方に仕事を終えて、友達とごはんを食べて帰るとか、いいですよ。そういう暮らし方するとつくる建築ももっと柔らかになると思うんですよ。
    すごく共感します。
    今の日本の建築家のスタンスは、医者で言えば脳外科の手術をする人か救命医みたいな人が多すぎると思うんですよ。
    街の良いお医者さんみたいな人がもっといればいいんだけど。

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  2. to aokichigai
    そうだね。
    なかなか一概には言えず、やや書きすぎたかなぁとは思ってたんだけど汗
    役割を自覚的に決めてる人はすばらしいと思うんだけど、引っ張られてる人も多くいるしね。
    社会的に要請のある建築の役割と自分の果たしたい役割がマッチしてれば問題ないね!

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